「あのさ…」


少しの間沈黙が続いた。

その間、颯斗の方を見ても、やっぱり目線はそらされたまま。

ねぇ。
今、颯斗の視線の先には何がうつっているの?

今、颯斗の機嫌が悪いのはあたしのせい?

あたしが颯斗を怒らせているの?


「やっぱり、イブの日のこと怒ってる?」


「怒ってねぇつってんだろ。何回聞く気?」


だったら、そんなあからさまな態度とらないでよ。

あたしが悪いのかなって思っちゃうじゃん。


「…じゃ、なんで怒ってんの?」


もう、この空気に耐えられなかった。

だから、訊いたのに…。