「あのさ、なんか…」
───冷たい。
そう言おうとしても、その言葉は喉の奥に詰まって言えなかった。
「会いたいんだけど…」
代わりに出てきた言葉。
元をたどれば、颯斗に会いたくて電話したんだもん。
嘘じゃない。
『あぁ…俺も、希愛に話あるから夕方そっち行く』
「うん…。分かった」
『んじゃ、切るな』
結局電話は最後までぎこちないままだった。
なんかあって機嫌悪いだけなのかな…。
だけど、颯斗があたしに対してあんな態度、初めて…。
なんだろう…。
胸がざわざわして、落ち着かない感じ。
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