「会いたいよ……」
今すぐ会いたい。
抱きしめたい。
颯斗の温もりに触れたい。
そう思えば思うほど、愛おしいと感じる。
体を起こし病室を出ると、エレベーターで1階まで下りた。
公衆電話の受話器を取り、颯斗のスマホの番号を打つ。
スマホを持つ前は、よくこうやって電話をかけていたから、自然と番号は覚えられた。
数回コールが鳴った後、『はい?』って受話器の向こうから颯斗の声。
久しぶりに聞けた。
胸がじんわり温かくなる。
やばい、どうしよう…。
嬉しくて、どうにかなっちゃいそうだよ…。
「颯斗…」
漏れる嗚咽を必死に抑えて、震えながらも声を出す。
『希愛?』
「うん…あたし。今……大丈夫?」
『平気だけどなに?』
感情のない氷のように冷たい返事。
温かくなった胸が一瞬で凍り付くかと思った。
同時に、頬を伝っていた涙が一瞬で止まった。

