運命という言葉が本当にあるのなら、あたしにとっての運命の人は間違いなく颯斗。

だけど、颯斗にとっての運命の人はあたしじゃない。

あたしにしちゃいけない…。

颯斗は、あたしじゃない他の誰かと幸せにならないといけない。

あたしという存在が、颯斗の人生の邪魔をする。



『希愛は本当にそう思ってる?』


「あたしは…」


『俺は、希愛に出逢えてよかったって心から思ってる。付き合わない方がよかったなんて一度も思ったことない』


ほら、また…。


颯斗は、簡単にあたしの心に踏み込んでくる。