「邪魔」
昨日“出てって”と冷たくされたけど、負けじとミーの席に座って隣の男子と話してやった。
ついには真顔で“邪魔”と言われた。
「はいはーい」
気にしない素振りをして席からたつ。
ミーは俺のことなんか視界に入ってないみたいに鞄を片付けはじめた。
『ピアノ通うの?』とか聞かねーのかよ。
俺のことなんか気になんねーってか。
「ミー、昨日のドラマみた?」
「見てない」
「あ、今日のは見てるだろ?楽しみだよなー」
「最近見てない」
「日曜のやつは?」
「アンタドラマみすぎ」
ミーは木曜と金曜と日曜のドラマをみてるのは把握済。
だから俺も見てる。
会話のきっかけのために。
俺がこんなに話しかけてんの、ミーだけなのに。
なんで、わかんねえの?
なんで、気づいてくんねえの?
鈍感すぎて、むかつく。
「あ、」
自分の席に戻ろうとしたら、ミーがそう言葉を発して、俺は思わず振り返った。
「昨日、感動してくれてありがと。うれしかった」
それだけ言って今日テストがある単語帳を開けた。
「お…おうよ」
うわ、やべえ。
にやけるわ。
下げて上げるとか、高度テクニックだわ、ミー。
一瞬にして心に花が咲く俺。
単純すぎて、むかつく。



