山道を手を繋いで歩く小さな男の子と女の子。





待って...ダメ、その先は...





「その後2人は足を滑らせて斜面を3メートルくらい転がり落ちた。で、その時のケガがお前のその傷」





「は、春翔は...?」





「...お前が先に落ちたから春翔は無傷」





よかった...





小さい子供が3メートルも落ちてこの程度の傷ならまだいいほうだろう。





「あれ?でも...それって不眠症となんか関係あるの?」




「お前は落ちた衝撃で意識がなくなったんだ。離れた場所だから親達も見つけられなかった。

そのまま日が落ちて外は真っ暗になって。」





もうわかるだろ、と湊くんはため息をついた。





...やっぱり、私のせいじゃん。





5歳の子供が崖から落ちて、一緒にいた子が意識なくなったのに真っ暗になっても誰も助けに来なくて。




私がいると寝れるっていうのも、もしかしたらその時一緒にいたからかもしれない。





...どうしてこんな大事なこと忘れてたんだろう。