「私がわかっていないと思っているのか?このバカめ!…おまえが今回、神田に手を出したのも、結局は律子と同じ理由だったということはわかっておる!」
「な、何のことよ!…藤ノ宮をイジメた理由?そんなの、ちょっと美人でちょっとモテるからって調子に乗ってるからでしょ?!それに…」
「…それに?」
「そ、そんなのどうでもいいじゃない!」
今、ちょっと動揺した…?
「ほう?…じゃあ、今回も神田がだいぶモテるからって、妬みか?おまえのお気に入りの竜堂の近くにいつもいるしな?あぁ?」
「そ、そうよ!いつも竜堂くんの周りをチョロチョロして!挙動不審で気持ち悪いくせに!」
そう言って、桃李をキッと睨み付ける。
桃李は体を震わせてモロにビビっていたが…嵐さんの様子が、さっきとは違う。
モロに動揺。目が泳いでいるような…。
…どうした?
その様子を見て、今度は狭山が鼻で「ハッ!」と馬鹿にしたように笑う。
「…いや、それも正解だけど、それだけじゃないだろ」
「はぁ?!」
「…その、モテた相手ってのが問題なんだろ?あぁ?」
「な、何のことよ!バカじゃないの!」
嵐さん、明らかに動揺してる…。
さっきの開き直りが一転。ムキになり始めた。
思うツボになっているのか、対する狭山はドヤ顔だ。
「…昨年、律子の件があった時、先代から小耳に挟んでおった。『もしかしたら…』なんてな?こんな小さなことに感付くとは、我らが先代の鋭さは素晴らしい。神!神だ!先代は神様だ!バカめ!」
「…あんたも神神うるさいわね!だから!高村さんが何だって言うのよ!」
「…だーかーら!おまえの密に想っている男が!律子と神田に絡んでいったから、おまえが嫉妬に狂ってイジメに走ったと言っておるのだ!バカめ!」
え…。
今、予想だに出来ない新事実を。
サラッと一気にブチまけた感があるんだが。
密に想っている男…?
嫉妬に狂って…?
新事実のカミングアウトに、辺りはまたしてもシーンと静まってしまったが。
そんなのも束の間。
「ふっ…うふふっ…あははは!」
当の本人は、肩を震わせて笑い出していた。
動揺が滲み出ながらも、笑いまくるその姿は、半ばぶっ壊れている印象だ。
「どうした。何を笑っておる」
「…バカじゃないの!…密に想っている男ですって?!…そんなのいるワケないでしょうがぁっ!」
「いや、おる。そうでないと、おまえがイジメに走る理由のつじつまが合わん」



