こいつらはなぜこうも、自分の認識に疑いを持たないんだ。
ここまで来ると、もうお手上げに近い。
げんなりする。
自分の口から勢いで飛び出た発言に加えて、彼女たちの徹底したスタンスにも困り果てていたが。
すると、その時。
あの悪魔の高笑いが、聞こえてきた。
「…フハハハ!おまえらはとんだピエロだな!バカめ!真相はこやつらに聞いてみるがよい!」
狭山だ。
またしても唐突に!いつの間にか現れた。
なぜか教室内にある机に上がり、仁王立ちで俺達を見下ろすカタチになっている。
いくら身長が低いからって、机の上に上がるんじゃない!
そして、廊下で一悶着していた連中が、教室内にドタバタと入ってきた。
「おつかれさまですぅー。嵐美央でぇーす」
嵐美央と名乗ったが。
その声と喋り方は、全く本人ではない。
…確かに、嵐さん本人はいるが。
その本人は、なぜか山田フリージアに後ろからホールドされた状態で登場した。
山田の左腕でがっちりと体を抱えられ。
右手首を掴まれたまま、ぶんぶんと手を振らされていた。
まるで、二人羽織り?
山田、顔出ちゃってるけど。
そして、当の本人は無言であり、なぜかこっちもげんなりしている。
生気を吸いとられたかのように、お疲れの表情だ。げっそりしている。
「み、美央さん!」
「どうしたの?!こんなゴム毬みたいなデカい女に捕まって!」
大切な友人の変わり果てた姿に、女子たちもビックリだ。
だが、そこへ被せるように狭山は高笑いをする。
「フハハハ!…おまえらのボスは引っ捕らえてやったぞ!この嵐の取り巻きピエロども!この女のでっち上げにまんまと洗脳されやがって!このイタ女連中が!」
机の上に仁王立ちして、イタ女連中と呼んだ女子たちを上から見下ろす。
その顔は、余裕綽々の悪い悪い笑みだ。
しかし、そんな威張りん坊将軍の登場に、女子たちはざわつき、敵意を向ける。
「狭山!またあんたなの?!」
「あんた!…どれだけ美央さんの邪魔をすれば気が済むのよ!」
取り巻きピエロやらイタ女連中とやら呼ばれた女子たちは、今度はターゲットを狭山に変えて、次々と反論し、またしても畳み掛けを始める。
だが、この女に畳み掛けなど通用しない。
「フハハハ!…邪魔?いくら邪魔しても邪魔し足りねえわ!それに、いつも邪魔してくるのは、嵐の方だろうが!バカめ!」
高笑いしながら、恐らく喜んじゃってる。



