王子様とブーランジェール





(あ…)



自分を心無い言葉で傷付けてくる連中や、俺を視界に入れないように。

それは、まるで拒絶しているかのようで。



グサリと胸が痛む。



何だか、俺のこともこいつらと一緒にされたような気がして。

俺のことも、敵視されたような気がして。



そんなんじゃ…!



しかし、目の前にズラリと並んでいる女子たちは、はっきりとした返答のない俺への畳み掛けを止めない。

ガセネタに振り回されているとも理解せずに。

次々にギャーギャー喚いて…めんどくせー。

めんどくさいあまり、徐々にイライラさせられる。

だけれども、先程の桃李の態度にも、ショックのあまりイライラがこみ上げてきた。

でも、こうなってしまったのは、俺が原因で。

俺のせいなんだけれども。

だけれども本当は、俺はおまえを傷付けるつもりはなかったと、おまえだけにはわかってほしいとか、甘ったれたことを考えてしまったり。

あぁ、でもそんなこと許されるほど、世の中甘くないとは考えてみたり。

ごちゃごちゃごちゃごちゃ、頭の中が…。




「竜堂くん、もしかしてこのストーカー女に何か脅迫されてるとか?!やだっ!」

…あぁ、そうじゃなくて。

「えっ!竜堂くんかわいそすぎるー!心配しなくていいからね?私達、味方だからね?」

…ちっ。うるせえな。

「ストーカー女なんて、追い払ってあげる!大丈夫だからね!」

「ストーカー退治してあげる!」

おまえら…!




…黙っとけや!その口!




「…うるっせえぇぇっ!…ストーカーは俺だあぁっ!!」




ギャラリーが急にシーンとした。

予期せぬ発言に、全員キョトンだ。



あ…。




とうとう、言ってしまった。認めてしまった…ではなく。

つい、勢いで…!

何の脈絡もなく…!



やらかしてしまったことを認識すると、途端に恥ずかしくなってくる。

しまった…!

『自分はストーカーです』だなんて、自ら暴露してしまう辺り、ただのイタイ人間じゃねえか!



一番気になる桃李の反応を、横目でチラッと見る。

やはり、キョトンとした表情でこっちを見ている。

何を思ってるか、表情からはわからないけどその視線が痛い。

でも、やっと…俺の方を見た。



だが…。



「ストーカーされてるのに、ストーカー庇うだなんて…竜堂くん、優しいね」

「しかも、自分がストーカーって…そんなこと言わなくていいよ?私達、わかってるから?」




…おまえら、何もわかってねえ!!