…夜は一人で外に出るなっつってんだろうがぁっ!!
目の前の横断歩道を、車が来ないことを確認してダッシュで駆け抜ける。
思わずカッとなり、飛び出してしまった。
桃李は今もいつものルームウェアを着ている。
ショートパンツ、細い脚が丸出しだ!
夜はどんな悪いヤツが、どんないやらしい変態が歩いているかわからない。
力弱い桃李なんて、あっという間にさらわれるぞ!
だから、一人で夜道を歩かないように、くどくど口煩く言ってんのに!
なのに…!
「…桃李、おまええぇぇっ!」
まさに、雷を落とす勢いで怒鳴りながら駆け寄る。
夜中の近所迷惑も考えずに。
だが、ヤツは俺が目の前に現れたのに何の反応もなし。
まさか…!
俯いた顔から、寝息がスースーと聞こえる。
目は閉じていて、眼鏡がズリッとずれていた。
体もガクッと揺れている。
寝てる…!
全身がざわざわとした。
あ、危ない…!寝てるだなんて!
もしかしたら、俺がここに来る前に変態に発見されて容易く連れていかれていたかもしれない…!
そう思うと、ざわざわとした。
「え?マジ?外で座ったまま寝てんの?」
理人がのんびりと歩きながら追ってきた。
さすがの理人もビックリしている。
「ったく…何でこいつは外で寝とるんだ」
「えー?待ってたんじゃない?」
「誰を」
「夏輝でしょ?」
「…何で」
「桃李も気付いてる、心配してるって言ってたでしょうが」
《…ダメ!行かせない!》
…そうだな。
ったく。
俺を心配するなんざ、100年早いっつーの。
自分の心配してろ。バカ。
もう、心配することはねえよ。
…でも、もし俺を待っていたんだとしたら。
嬉しいというか、照れ臭いというか。
勘違いするじゃねえかよ…。
「…このバカ」
加えて、久しぶりの眼鏡顔をみて、なお照れ臭くて。
かわいい…眼鏡萌えしてしまった。
「どうすんの?」
理人と並んで寝ている桃李の顔を見ている。
「起こすのも…このまま中に連れてくか」
このままここに寝かせておくワケにはいかない。
中に連れてって、リビングにでも寝かせて…。
そう思って、抱き上げるために桃李の背中と足に手を回す。
体がひんやりとしていた。
…ったく。どんだけ外にいたんだ。
風邪ひくぞ。



