王子様とブーランジェール




そしてそして。

極めつけは、額にデカデカと。

『バヤセのマシュー』

と、オレンジ色で書かれている?!



何だこれ…!




一目見てブッと吹き出しそうになってしまった。

これはまるで…馬鹿殿様?!

もしくは、某芸人の白塗りモノマネだ!




何で?何で?

何で変身しちゃってんの?!

これ、マシュー総長だよね?!

不健康なあの金髪ポニーテールの…ポニーテールが、ちょんまげにセットされてるわ!

マシュー総長、馬鹿殿様になってしまったのか?!

いや、白塗りモノマネ?お花畑…か?!

俺的には、額のオレンジの文字がツボに入った。

妖精?!




何だこれ。笑いを堪えるのに必死だ…!

一人大晦日、まだ続いていた。



まゆマネ、すごい大作作ったな。

元・美術部ってのは聞いてたけど。

技術、健在だ。




「大作完成したよー!写真班入ってー!」

「あははは!撮って撮って撮りまくるが良い!SNSに拡散しまくれ!バカめ!」

「ハッシュタグはバヤセ総長もしくは八上真秀で!バヤセのマシューでもいいよー!」



地に倒れているマシュー総長の横にいる狭山らが、大爆笑しながら、ギャラリーを呼んでいる。

カメラやスマホを持った女子たちが現れ、次々にその新生マシュー総長…いや、馬鹿殿様を写真におさめていた。



この顔が、SNSで拡散される。

これが『社会的抹殺』か…。




恐っ。




「何なにー?…ぶっ!何だこの殿様!」




そこへ、松嶋の友達、赤髪と金髪が現れた。

人混みを掻き分けて、バヤセのマシューを目にした二人は吹き出している。

「はぁー?このツラ!白いどスケベ殿様?」

「あれあれ。BCGの跡が目に入らぬかとかいうやつ?」

「爺、布団敷け!みたいな?」

「写真撮ろうぜー?おもしれー!…謹次も来い!」

黒髪の謹次も加わり、三人でスマホでバヤセのマシューの写真を撮っている…。

謹次は「待ち受け画面にする…」と、呟いていた。



お、俺も撮りてえ…。



紋中ヤンキーらが撮影会に楽しんでいる様子を見て、俺もうずうずしてしまう。

そこへ、すでに撮影会を終えた小笠原がやってきた。



「夏輝様、写真お撮りになりました?よかったら、あの馬鹿殿様と写真を撮って差し上げますわよ?」



記念撮影?

いいの?



って、一緒に撮るのはやめとく…。

はしゃいでしまいそうだ。




誰か、写真送って。