王子様とブーランジェール




「…慎吾」



そんなパンツパンツと騒いでいる中、黒髪短髪の謹次が鉄パイプをカラカラと引きずって松嶋のところにやってくる。

「あ?何?」

「…リンクス、持ってきた」

そう言って、手にしていた鉄パイプを松嶋に差し出す。

「…は?持ってきたの?」

謹次はまたしてもこくこくと頷いている。

「今日、使うでしょ。だから持ってきた」

「べ、別にいいんだけど…」

「リンクスじゃないとしっくりこないって言ってたじゃん」

「そりゃそうだけど…どうも」

リンクス?

ふと、松嶋の受け取った鉄パイプを見ると、『Lynx-5069』と型番が目に入った。

なるほど。だから、リンクスか。





…とりあえず、表で騒いでいるのも一目につくので。

奴らの乗り付けてきた単車を丁寧に駐輪場に停めさせ、中へ招き入れた。

とりあえず、本拠地の家庭科室へと連れて行く。

しかし、家庭科室はこれから最後の作戦会議だということで、残党女子が集結していた。

たくさんの女子が、テーブルでおやつや飲み物を広げている。



女子だらけのこの家庭科室に。

やはり、男は目立つ。




「…え?何?あのヤンキー」

「…髪、緑とか赤とかハジケてない?」

「イカれてるわー…」




こっちをチラチラと見ながら、ヒソヒソと話をされている。

ビミョーな眼差しだ。

だろうな…。




しかし、こちらさんは。



「うぉーっ!女子!女子だらけだ!パンツもたくさん…」

「やめてよね厚雅!うるさい!」



恐ろしいことに、予想通り、でもまさかのリアクションじゃねえか。

金パの厚雅、一人で興奮している。

興奮のあまり騒いで、藤ノ宮に怒られていた。



そして、この御方も。



「…あぁ?誰だこいつら」



我らがボス、狭山だ。

この派手な髪型たちが目立つのか、姿を見せるなりすぐにこっちにやってきた。

「狭山さん、すみません。俺のダチで…」

「松嶋のダチ?…ほう?紋中のヤンキーか?四天王か?」

「あ、はい、そうです…」

四天王?度々出てくる紋中四天王?

凶悪ヤンキー四人組?

こいつらが?

まさか、バラエティ芸人四人組の間違いだろ。




しかし、そこでまたしてもこのパンツ星人が。



「…うぉーっ!めっさ可愛い!ゲロマブだ!」

「は?げろしゃぶ?」

「お姉さん、可愛い可愛い超可愛い!…パンツ見せてくれや!」

おい。いくら狭山が美人で、おまえがパンツ星人からって、狭山にパンツ見せろってか?

鬼のパンツだぞ?

手当たり次第で節操がない。