王子様とブーランジェール





そっと入ってきたせいか、中の三人は俺が登場したことには気付かず、お喋りに夢中のようだ。

特に意味はないけど、忍び足でそっと近付いてみる。




「…でもなぁ桃李?男的にはちょいポチャでも構わんのだぜぃー?ちょいポチャの方がぎゅっと抱きしめた時の感触が気持ち良いし、肌ハリツヤが良いからな?男はそっちの方がムラッとする」

「ん、ん?村?」

「良い例が柳川の優未だな。あやつは背が高くてスレンダーだが、脱いだら良い塩梅のポチャでな?プルッとしてて、おじさんはついムラッときた」

「おじさんの村?」



おまえ、何の話をしとるのだ…!

相変わらずイラッとさせてくれるな?

柳川の話…そこは門外不出にしろ!

わざわざ桃李に聞かせるんじゃない!




「…あ、だけどな?女は処女を捨てるとホルモンの関係で、女らしいお腹もすっきり引き締まった体になるらしいで?おまえもいっぺんやってみたらえーの」

「ん?何をするの?」



…おまえらああぁぁっ!!



イライラは急激にてっぺんまで昇り、爆発寸前だ。




「おまえら、エロトークしてねえで早く…ええっ!」



陣太が俺の存在に気付き、ビックリして椅子から落ちそうになっている。

「おまっ…やめ!やめ!」

慌てて二人を止めようとし、二人の前に身を乗り出して俺の方を指差す。

エロトークの二人は、ゆっくりとこっちを振り返った。

「なっ!なななな夏輝!」

「お。ダンナ来てたのぉー?」

松嶋は至って普通の反応であるが、桃李はなぜか途端に慌てふためいて、挙動不審MAXになっている。

「な、なななな何で来たの?」

「いや、電気まだ点いてんなと思って…」

間違っても、おまえが危険な目に合ってないか心配だったとは言えない…。

しかし、危険といえば危険な最中だったかもしれないが。




「…で、課題は進んでんのか?どのくらいやった?」




桃李のパソコンを覗き込もうとした、が。



「…あぁっ!だめ!だめ!見ないで!だめ!」

挙動不審そのままパソコンの画面を背に、必死で体を張って俺に見せないように隠している。

「は?何でだよ」

…こりゃあ、全然進んでないな?

まったく。ここも予想通りじゃねえか。

「ったく、わかったから見せろ!」

必死でパソコンを隠す桃李の体を押し退ける。

「だ、だめぇーっ!」