王子様とブーランジェール





「夏輝様、毎晩胸キュンシアター見てまぁーす!…あ、お友達の準ミスの和田さんにミルキング買ってきたんで、一緒に飲んでくださーい!」

はいはい。

胸キュンシアター毎晩見てるとか…エロDVD感覚なんだろうか。

そこ、ちょっと知りたい。複雑。

手渡されたプレゼントには、プラスでミルキングが入っていた。

ついでに理人にプレゼント?

理人がミルキング好きって、よく知ってたな。

ミルキングとは、紙パックの乳酸菌飲料。

北海道限定のご当地モノ。

さっきも同様に理人への貢ぎ物も預かったぞ。

期間限定ハスカップミルキングだった。

理人、ここで思わぬ特典だ。よかったな。




「へぇー。考えたね」



集まった女子の群衆から、一人ずつ贈り物とお祝いの言葉をせっせと受け取っている最中。

通りすがりに、狭山がやってきた。

潤さん、奈緒美、菜月もいる。

keepoutと書かれた黄色い規制線が貼られ、その中に女子たちが綺麗に列になって並んでいる、俺と女子の群衆のプレゼント贈答会を見渡すように見学していた。

コノヤロー。野次馬するな。冷やかしお断りだ。

端からは滑稽に見えるかもしれんが、こっちはデッドオアアライブなんだ!



「なるほどな。ミスターに会いに集まった女子たち。追い払うのではなく、敢えてふれあいの機会を設けるってか」

「麗華、名案だぞ!バカめ!」

すると、俺の横で小笠原は高笑いをする。

「そうでしょう?エリお姐様?…先代の時、お姐様がたはミスターを守って逃がそうとし、ファン同士で暴動、抗争が起きて救急車沙汰となった…」

そして、バサッと扇子を広げる。

「でも、ファンたちは皆さん、ミスターに会いたくてここにいらしてるのです。その欲求を叶えてあげればファンたちは満足して笑顔でお帰りになられる…暴動も起きずにウィンウィンということですよ?」

「なるほどー」

「さすがオガサワラリゾートの跡継ぎだけあるね?」

「先代は儚いお方でしたから、これはちょっと…でも、ナツキくんだからこなせる技ですね」

「…まあ?暴動を起こす輩がいましたら?…駆逐、もしくは、我が家のガス室にぶちこんでやりますけども?オホホホ!」

「しかし、竜堂よ。まさか先代と誕生日が一緒だとは、何の縁だ?バカめ!」



バカヤロー。何がウィンウィンだ。

俺が一番大変な思いをしとる…!

ナツキくんだからこなせる技?

お膳立てされて、しょうがねえからやってんの!

戦争勃発して救急車来ても困るからな?

ったくよぉ…。