王子様とブーランジェール





「きゃああぁっ!ミスター!来てよかった…!」

「きゃーっ!信じられないぃぃっ!」

「素敵ぃー!愛してますうぅっ!」



俺も、信じられんよ。あんたたちが。



俺が姿を現した途端。

一斉に沸き上がる、女子たちの黄色い歓声。

や、やかましっ!聴力奪われそうになるわ!

そして、押し寄せる大人数の女子が、一斉に俺に向けてぶんぶんと手を振っている。

すごい人数…何人いる?!

絶対100超えてるぞ。因幡の物置に乗っても大丈夫じゃない人数だ!二つぐらい必要な人数…!



これ、何?

俺に会いに集まった女子、こんなにいるの?!




軽く眩暈がした。

未知の領域に、卒倒しそうだ。



何これ。

何なの?俺。



すると、横にいた小笠原はいつの間にか拡声器を持っていて、それを使い女子の群衆へ喋りかける。



『…お黙りなさいぃぃっ!ミスター星天、竜堂夏輝様の登場よあなたがた!!』



小笠原の呼び掛けに一瞬静まり返るが、すぐに歓声と拍手が沸き上がった。

「いいぞー!」なんて掛け声も聞こえる。

よくない!

誰だ!おっさんみたいな掛け声あげるヤツは!



『さあ?これから一人ずつ、夏輝様との接見の時間を設けますわよ?ですが、今は夕方、時間が限られておりますので、お祝いのお言葉と贈り物を贈るのみで、写真、握手はご遠慮させていただきますわ?ご承知くださいませ?』



写真、握手…もし、時間があったらしなきゃいけなかったワケ?

この人数?!俺、どうにかなってしまうわ!

握力なくなるわ!



『その規制線からは出ずに、2列になって静かにお並びくださいませ?…もし、それを守れないお行儀の悪い輩がいるのであれば、我が家のガス室にぶちこんでやるから、覚えておきなさいぃっ!!』



暴徒化したら、ガス室行き。



てなわけで。



「夏輝様っ、お誕生日おめでとうございますっ…!まさかこうしてお話し出来るなんて、夢にも思いませんでした…!」

はいはい。

俺も夢にも思わない。

こんな事態になるとわ。



「ミスター、お会い出来て光栄です!プレゼントはザブトンをお持ちしましたので、よろしかったら、お友達とお食べになってください!」

はいはい。

…ん?ザブトン?座布団?どっち?

お食べに…だから、ザブトンの方?

またナマ物か?



次から次へと、お祝いの言葉と贈り物を順々に受け取る。

まさしく、朝の再来…!