王子様とブーランジェール




だけど、犯人に心当たりもなければ、誰かも特定つかない。

どうしていいかわからずに困っているのが現状だ。

ここからどうするか?

どうすれば、これ以上事件が起きずに済む?

ホント、俺んとこ真っ直ぐ来てくれれば、周りを巻き込まずに解決は早いのに。

俺の意図とは反して、周りをどんどん巻き込んでいってるのも現状。

これほど、もどかしいこともない。



(くそっ…)



頭を抱えているうちに、放課後になってしまった。







「夏輝様ぁーっ!ちょっといらしてくださいませー!」



帰りのホームルームも終わり、支度して部活に行く準備をしていたのだが。

やはり、予想通り。

小笠原麗華と愉快な仲間達は、俺の前に現れた。



《午後3時半にここに再び集合!》



「………」



言葉が出ず、フリーズしてしまう。

「夏輝…今日は恐らく部活に出れないって、十津川さんに言っとくわ…」

咲哉、頼むね…。



小笠原たちに連れられて、一緒に廊下を歩く。

横ではなぜか小笠原が扇子で口元を隠して高笑いをしていた。

その高笑い、歩きながらはやめてくれ。

すれ違う生徒、みんな見てる!

なかなかやめないので、とうとう注意してしまった。

「おい、小笠原!頼むから無言で歩け!」

しかし、小笠原はもっと高笑いをしてしまった。

「オホホホ!大変申し訳ありません夏輝様。でもご安心くださいませ?これもファンが暴徒化しないための策ですので、お辛いかもしれませんが、頑張ってくださいませ?」

は?

どういうこと?

俺は今、おまえの高笑いを注意したんだけど!

…って、その点については話を聞いてないな?まったく。

「部活のことはご心配なく。糸田先生に事情を話して許可を取ってありますので。ファンが暴徒化しないのなら、と先生も賛成してくださいましたわ?オホホホ…」

「はぁ…」




小笠原たちに連れてこられた場所とは、やはり先ほどの現場である、正面玄関口。

「夏輝様、靴を履き替えていらしてくださいませー!」

「はいはい」

めんどくせー。

ヤル気ゼロ。

靴を履き替えてしぶしぶと外へ出る。




(…うぉっ!)




しかし、そこは、玄関前のいつもの光景ではなく。

驚き未知の世界であった。



「きゃああぁっ!ミスター!ミスターよぉーっ!」

「本当に出て来てくれたぁーっ!きゃーっ!」

「夏輝様ぁっ!こっち向いてえぇーっ!」



…うおぉぉーっ!