王子様とブーランジェール





ハリケーンのような片付けも終わって、更衣室で着替えをする。

今日は片付け早く終わったから、着替えはゆっくりでいいな。



「おーい!竜堂ーっ!」



ズボンを履いてベルトを締めていると、十津川さんがこっちにやってくる。

十津川さん、ワイシャツ着てんのに下はパンイチだ。ズボン履いてから来て下さい。

「なんすか?」

「むふふふ。16歳おめでとう。ハピバ」

そう言って、楽しそうに紙袋を渡してくる。

中に何か入ってる。だいたいA5サイズ?



ハピバ?



「え?なんすか?って、誕プレですかこれ」

「そうなのさー。俺達から!開けてみ?」

十津川さんの後ろには、同じく二年の橋爪さんと原口さんもいる。

やたらとニヤニヤしながら楽しそうにこっちを見ているが。





そうだ。

9月13日。

今日は、俺の誕生日だったか。

自分でも忘れてたわ。




「…よく知ってましたね。自分も忘れてたのに」

「かおマネから聞いたー」

圭織から?あー…そういうこと。

「開けてもいいっすか?」

「もち!…あ、堂々と出したらダメだぞ?チラッと覗く程度をオススメします」

「あ、はぁ…」

何か…嫌な予感だぞ、これ。大きさといい。



恐る恐ると中を覗いてみる。

傍ではニヤニヤとしている先輩たちの視線が痛い。



「………」



中を見ると、やはり。

予想通りじゃねえか…。

体育会系、お決まりの出来事。




エロDVDだ。

タイトルは『家政婦は開いた!』。



うーん…何ともコメントし難い。

こんなプレゼントを貰ったことも、このDVDのタイトルも。

家政婦が何を開いたかは言うまでもない。

ジャケットの家政婦、裸にエプロンだ。



「まさかまさか、ミスターだからエロDVD見ないってことはないだろー?竜堂ー?」

「ミスターでも嬉しいだろ?な?な?」

原口さんと十津川さんは、俺の後ろから嬉しそうにそのエロDVDの入った紙袋を覗き込んでいる。

嬉しいの、あんたたちでしょ。

しかし、ビミョーなプレゼントでも貰ったものだから、一応お礼は言っておく。

「あ、あざっす…」



DVD…その手のモノは、今は全部ケータイで見る時代でしょうが。

しかも、家族にバレやすいったらありゃしない。



うーん…見るかな。

ビミョーに困るじゃねえか…!