「…おまえら、何してんの?」
教室の隅に荷物を降ろし、そのデカい箱をせっせとセッティングしている。
咲哉は箱の中に入って、中に暗幕を取り付けているようだ。
「フッフッフッ…夏輝」
陣太が俺の横で笑っている。
気持ち悪くて、ちょっとビビった。
「な、何だよ…」
「俺達と…一儲けしようぜ?」
は?一儲け?
謎のセリフを残して、陣太は咲哉と共に準備に加わっている様子だ。
教室の隅、出入口付近に設置された木の箱。
なぜかこの教室の縁日風装飾とマッチしている。
中に暗幕が張られ、パソコンを搬入していた。
パソコン?中をチラッと覗くと、一見、漫画喫茶風だ。
座布団も置いてある。
何だこれ。
すると、そこへ。
思いもかけない来客が。
この人の姿を見てしまったら、嫌な予感しかない。
「横川、梶、セッティング済んだ?」
…はぁっ?!
な、菜月?!
陣太と咲哉の様子を見ながら、微笑を浮かべながら一年の教室に入ってきた。
『残党』のブレーン、上山菜月だ。
「上山さん!セッティング完了です!パソコンお願いします!」
「オッケー。あと、これ。美梨也に作ってもらった」
「ありがとうございます!」
菜月は陣太たちにそのブツを手渡して、箱の中に膝をついて入っていく。
「よし、看板ゲット!」
「仕上げですな?」
看板…?
二人が一斉に箱の上に看板をセッティングする。
その看板のタイトルは、本当に謎めいていた。
は…?
『胸キュンシアター』?
3カット100円。
何だこりゃ。
看板をつけ終えた二人は、「フッフッ…」と、笑いながら俺の両サイドを取り囲む。
な、何だよ。
「夏輝くん…これ、絶対大ヒット間違いなし。上山さんのお墨付き」
「稼いだ金で焼き肉食べに行こうぜー?」
「は、はぁっ?!」
おまえらは…何を企んでいる?
菜月が現れた時点で、悪巧みをしているとしか思えない。
すると、菜月が箱から顔を出した。
「パソコンもセッティング完了。説明するからおいで?…ナツキくんも見てみる?」
「はぁ…」
三人で箱の中に入る。
きつい。
菜月がパソコンの前にいて。
後ろに陣太と咲哉がぎゅうぎゅうになって前に身を乗り出している。
俺はその後ろで三人を見守る状態。
何が始まるんだ。



