みんなの話題になっている…。
しかし、それほど大きな変化であるのだ。
呪い…発想はだいたいみんな似てる。
「でも、今日は悲鳴少ないと思わない?」
俺達の話の輪の中に、突然ひょっこりと現れる。
あまりにも突然過ぎて、先輩たちは『わっ!』と驚いていた。
「は、蜂谷っ!」
「キャプテン!」
「さあさあ、可愛い子に見とれてないで、練習練習」
そう言って、フラッと向こうの方角に行ってしまった。
やはり、何を考えてるかわからない男だ。
そう言えば…蜂谷さん、昨日、桃李と夜に二人きりでいたんだっけ。
いったいなぜなのか、考えた途端にイラッとしてしまった。
ちっ…どういうことなんだか。わからない。
何だか、問題が更に山積みになり。
あれもこれも。
更には友人に対しての暴挙とくりゃ。
もう、本当にワケがわからなくなってきたな。
あぁ…。
そんなことを考えていると、あっという間に部活が終わってしまった。
片付けも終了して、解散。
だが、倉庫の中は電気が点いている。
さっき、チラッと見た感じ、桃李、今日はどうやら備品や道具の点検と手入れをやらされているようだ。
未だ続行中のようで、なかなか終わる気配なし。
まだ、帰れない感じか…。
みんなと別れた後、グラウンドに戻り、倉庫の方へと赴く。
朝に貸したベストを、夜、家に取りに行くと約束した。
桃李のことだから、きっと忘れてるに違いない。
家に着いたら連絡するように、念を押しておこうと思ったワケで。
電気が点いた倉庫の前では、糸田先生がパイプ椅子に座り、倉庫の中の方を向いていた。
中にいる桃李の監視だろうか。
桃李は…ドア付近に直に座り、布でサッカーボールを拭いている。
大量のボールが傍に置いてある。まさかこれ全部やるんだろうか…。
「おいおいおいおい。クリーナー付けすぎじゃねえの?神田さんよぉ?」
「え…あ、はい。そうかな」
自分の拭いたボールをいろんな方向からまじまじと見ている。
糸田先生に『もういいから次行けや』と言われ、拭き終わったボールを並べて、カートに入れていた。
「…で、神田。先週、俺が言ったこと考えてきたか?」
桃李は、作業の手を止めて先生の方を見る。
すかさず『手を止めるな!』と、指摘され、慌てて手を動かしていた。



