謎のホステスっぽい女性に、謎の老人…。
狭山はいったい何者なんだ?!
「…狭山って、お嬢様なのよ」
「お嬢様?」
「親父がグループの会長。母親がグループのキャバクラとかガールズバーを取りまとめた部門の社長」
「えっ…?」
「サヤマグループって知らない?すすきのにビルがいくつもあって、すすきのを拠点に全国展開しているキャバクラやホストクラブとか、居酒屋とかのグループ。すすきのの帝王って言われてるらしい。そこの会長の娘」
な、何だって?!
会長令嬢なのか!
「で、後で優里沙から聞いた話なんだけど、正晴は狭山家の執事で、ランジェリーフィッターは狭山の店で働いていた元ホステス」
執事…!
狭山、なるほど…そういうことだったのか。
だから、あんな偉そうな…違うか。
だから、親父も3Dプリンターをポンと買える…それも違うか。
話に戻るが。
急に女子たちが集まり、部屋の中の黄色い声のボリュームが一気に上がった。
女子特有のキャイキャイした声が絶えず聞こえてくる。
目の前には、ふんぞり返ってソファーに座り、アイスティーをすする狭山が…。
なぜ、おまえだけここにいる?
『ランジェリーフィッターさん、何しに来たの?』
蜂谷さん、今度はポッキー5本食いしながら質問をする。
そんな素朴な疑問に、狭山は鼻で笑った。
『このバカ蜂谷め!ランジェリーフィッターの仕事と言えば、ブラジャーのサイズを計って商品をオススメするしかないだろうが!』
『バカめ!言われてもな。男子にはわからん世界だし』
『まあよい。男子だから許してやる。神田がブラジャーをしていないという事件が発覚して、ランジェリーフィッター出動!で、赴いた。ただそれだけだ』
『じゃあ、この部屋の向こうでは、ブラジャーの試着とかやってるわけ?』
すると、蜂谷さんはドアをそろっと開けようとしている。
の、覗き!
すかさず狭山は蜂谷さんの背中を金属バットで小突いた。
っていうか、ここでも金属バットを持ち歩くとか…。
『何をしておる!この何を考えてるかわからない男!痴漢でポリに突き出すぞ!』
『欲望にまみれてごめん』
蜂谷さんは、ビビることなく、今度はドアに耳をつけている。
今度は盗聴か。
ひょうひょうとした態度でそんなことやってくれるな。



