眼鏡をやめて、可愛くおしゃれになる子はいるが。
このレベルは…変身!
な、何なの?この子!
眼鏡はずしたら、超美少女とか!
こんなマンガのような展開、ある?
…た、大変だ!
とりあえず、処方箋を持って、半年分の使い捨てコンタクトを購入。
ミッションは終了した…。
…だが。
顔は美少女にはなったが。
髪の毛や、そのもったもたな制服…。
髪型はアーティスティックなのか、でも制服はただのダサ子なのか、何なのか…正体不明の統一感ゼロ。
普段、結構綺麗にして気を遣っている優里マネ。
これは…自分の美意識に反する!
火が点いた。
『…ねぇ?今の自分、ちぐはぐしてると思わない?』
おもいっきりストレートに突っ込んだ。
だが…。
『………』
自分の姿を鏡で見ている桃李。
じっと凝視しているが、困った顔をしている。
『わ、わかりません…』
『えっ!』
『何がち、ちぐはぐしてるのでしょうか…』
『………』
呆れた…こんなに美少女なのに!
おしゃれに全く興味ないの?
美意識ゼロ?!
いや、美意識そのものが何かをわかってない!
これは…大変だ!
『…そのお金、もうちょい使っても怒られない?』
『あ、だ、大丈夫です…これ、パンダのおじいちゃんがいつもくれるおこづかいなんで…これ、全部私のです…』
パンダのおじいちゃん?…誰それ?
そこはツッコミを入れていいの?
パンダのおじいちゃん…桃李の父方の祖父だ。
ちょっとお金を持っている人で、桃李に定期的におこづかいを与えている。
だが、桃李は物欲がないので、お金は全然使わない。
それゆえに、タンス預金してあるらしい。
まるで、年金暮らしの老人のように。
防犯上、タンス預金はやめろって言ってんのに。
…苺さん、そのお金を持って学校に来たのか。
『…じゃあ、一緒に来ない?っていうか、来なさい』
『え?あ、はい…』
そう言って、優里マネが連れてきたのは、そこから徒歩3分のところにある。
美容室。
自分が通っている美容室。
モノトーンで統一されたモダンなインテリアの外観がおしゃれなお店だった。
手際の良い優里マネは、あらかじめ電話を入れて予約確認したらしい。
しかし…。
『…どうしたの?』
店に入ろうとしたが。
桃李が入るのを躊躇しているようだ。
顔を上げたり、下げたり。
うろうろしたり。
やや挙動不審になっている。



