王子様とブーランジェール





茶髪のストレートロングで、美人な顔立ちをしている。

全体的に細身で、背はそんなに高くないが、スレンダーだ。

雑誌のモデルみたいな女子。

この学校に、こんな美人がいたとは…。



「り、律子さん」

「遅いから迎えにきちゃったよ。慎吾、今日休みなんでしょ?一人で2年の教室に来づらいとも思ってね」

「あ…はい」

「…ん?あれ?桃李、泣いてるの?」

その美少女は、桃李の顔を覗き込んだ。

え…泣いてる?!

すると、桃李は慌てだした。

「いやいやいや!何でもないですよ!い、行きましょ!」

そして、その律子とやらを引っ張って、さっさと教室を出ていってしまった。



な、何だったんだ…?



誰だ、あの女子。

桃李にあんな知り合いいたのか?

話の内容に寄ると、二年のようだ。



俺の知らない、桃李の知り合い。

しかも、結構仲良しっぽいぞ。

…あぁーっ。

こんなことでもザワッとしている自分、どうかしてる。




いや、現時点では、それは問題じゃない。



『…ん?あれ?桃李、泣いてるの?』



ま、マジか。

マジで泣いていたのか?

だとしたら…やっぱ、さっき俺が怒鳴ったことが原因だよな。

それ以外、思い当たらない…。



(………)



…何てことをしてしまったんだ!



いつも、泣きそうになることはあっても。

涙を流すまではいかない。



俺が…泣かしてしまったのか。



ずーんと落ち込む。

いつものレベルじゃない。ここぞとばかりの最上級だ。



(マジか…)



嵐さんにキスされるわ、動画撮られて菜月の手に渡るわ。

終いには、桃李を泣かしてしまうわ。

今日は不調、ついてない…。



「…あれ?弁当食べた?」



理人、今頃帰ってきた。

あともう少し早く帰ってきてくれれば…。



「食べてない。今食べる」

「…どうした?何か表情雲ってるけど」

「おまえの有り難みに気付いたよ。今頃」

「はぁ?そりゃどうも」



結局、理人と二人で仲良く、遅くなったお弁当タイムとなった。




「…理人、そういや」

「何」

さっきの疑問を理人に聞いてみる。

こういう話は陣太の方がいいんだけど。



「2年の律子って女子、知ってる?」

「…あ、藤ノ宮律子?知ってるよ」