王子様とブーランジェール








『イぃーザベラぁーっ!!』



前の席に座る二人のシャウトと共に、ジェットコースター、急転直下。

っていうか、何でオラコンの先生の名前、叫んだ?



鉄骨の激しい機械音と共に、超スピードで回転しまくっている。

かなり乱暴な回転に、体も頭も揺れまくり。

俺は全然平気で、叫び声あげずに普通に乗ってられるんだけど。



『ぎぃゃああぁぁーっ!!』



前の二人はそうじゃないらしい。

悲鳴が桃李ばりに汚い。



『イザベラぁーっ!!…Eカップですか、Fカップですかぁーっ?!』

『夏は薄着ぃーっ!…ブラジャーつけてくださいぃーっ!ぎゃああぁぁーっ!』

『…あぁっ!…ノーブラのままで、いいですぅーっ!わああぁぁっ!!』



恐怖のあまり、卑猥な発言をしている。

先日、オラコンの先生・イザベラが、ノーブラで授業をしていたことを持ち出した。

男子生徒、衝撃の瞬間だった。


それにしても、おまえら、恐いなら乗らなきゃいいのに。

度胸試し感覚で乗るからそういう風になるんだよ。



終了後は、二人ともグロっていた。

陣太と咲哉。



「あぁぁぁぁやっぱヤバいって…ダメだって…」

陣太がうずくまっている。

おまえ、肝試しもジェットコースターもダメなんだな。

「だ、だ、だらしねえな陣太…俺は平気…」

平気なもんか、咲哉。

おまえ、陣太と同じスタイルでうずくまっているぞ。

何でそこで強がっちゃってる?



「あー。面白かったね。また乗る?」



この二人とは対称的に。

理人は涼しい顔をしていた。

ケロッとしてるわ。



「理人…おまえは平気なの…」

「あぁ、何回でも乗れる。どうすんの」

「待ってなさい、理人…回復したら、俺全然乗れるから…」



回復しないと乗れないって、どういうことだ。

その強がり、何か意味あんの?

理人もわかってて挑発するんじゃない。





遊び放題、二日目。

道内最大の遊園地に来ていた。

で、到着するなり何種類もあるジェットコースターに乗りまくる俺達。

全部制覇だ!と、グロっている二人がいきこんでいたのだが。

3つ目でこのザマだ。

苦手なら、ちゃんと言えばいいのに。

いらない強がりを…。