「何言ってんだおまえ」
「…え?何か俺、言ったかな」
は?
自分の発言には、責任を持て。
「だから、何言ってんだおまえ。何で地味女を好きなことが恥ずかしいんだよ。っていうか、桃李はあれでいいんだよ。眼鏡もライオン丸ヘアーもかわいいじゃねえか。髪アップにしたら、もっとかわいいけど」
「え、髪アップ推しって、ライオン丸ヘアー褒めてないんじゃ…」
「うるっせえな!桃李は着飾らなくてもかわいいんだよ!むしろ、着飾らない方が変な虫がついてこないから良い」
「うわ、マジ溺愛しすぎ…」
もう、開き直って、本音をべらべら喋りまくってしまった。
なぜ、松嶋に…。
うわ…って、何だ!
さっきの教科書といい、普通に気持ち悪いってか?!
「…じゃあ、何で告ってないのー?」
し、しつこいな。
そこの核心を突いてくるな。
無言でいると、松嶋がニヤニヤと笑っている。
「完璧イケメンの竜堂のダンナがもじもじと片想いしている理由を俺は知りたい。フツーに知りたい」
「…あぁ?単なる好奇心か?DKの純情は見せ物じゃねえぞ!」
「好奇心と言われればそうかもしれんけどー。だって、他にも女、寄ってくるでしょー?なぜそこはあえて桃李なのかっつー」
「話の論点ずれてんだって!」
「じゃあじゃあ、何で告らないかの理由をおせーて」
っていうか、なぜ松嶋とぶっちゃけた話をしちゃってるのか、俺は知りたい…。
だが、一度言い出したら、言い切ってしまわないと。
逃げられないような気がした。
「…こじらせ過ぎたんだっつーの」
「は?こじらせ過ぎ?」
「…幼なじみはいろいろと難しいんだよ!以上!」
あぁ…なぜここまでぶっちゃけてしまったのか。
事実を知らせて、撃退する手筈だったのに。
松嶋のペースに巻き込まれてしまった。
敵に弱味を握られた感が…!
また、負けた感じ…?
…あぁっ!悔しい!
やきもきしていると、松嶋が立ち上がって、こっちにやってきた。
「…ダンナ、言っとくけど」
また、あの勝ち誇ったような不敵な笑みだ。
何を言われるんだ?
「…俺って、ダンナの敵じゃないよ?」
敵…じゃないと?
「…は?だっておまえ、桃李を…」
「俺は、ダンナの敵じゃない」
「じゃあ、何だよ」
「まあ、桃李の味方ではあるけどね?」



