その後朝練が終わって、いつもの慌ただしい片付けをしていても、そのキスの感触は頭から離れず。
着替えて教室に行くと、やはりあの新しい…フリだけの彼氏は待ち構えていた。
「おっはよー!マイワイフ!」
ワイフ…!
彼女通り越して、ワイフになっている!
しかし、昨日の手挟みキスの感触が忘れられない私は。
蓑島くんの顔をまともに見ることは出来ず…。
「お、おはよ…」
恥ずかしくなって、しどろもどろになってしまう。
顔が急に熱くなってしまった。
私の登場に駆け寄ってくる蓑島くんだが、私のリアクションを察したのか、急にニヤニヤと悪い顔をした。
「…へぇ?」
私に、その悪そうな顔を近付ける。
「な、何よ…」
「いやぁー。リアクションわかりやすー。昨日のこと思い出して照れてんの?」
「なっ…!」
はっきりとそれ言う?!
とことん悪い。この男。
慌てふためく私に「もっかいする?」と、耳元で囁く。
「…ああぁぁっ!」
彼の吐息が耳に振りかかって、更にドキッとしてしまったのもあり、それを振り払うかのように、彼の近付ける顔を手で振り払う。
もう!朝っぱらから何なのよ!



