「はーい。皆さん、おはよーございます。我がクラスメイト」



そう言って、ミスターの蓑島くんはクラスの友達に調子良く話し掛けている。

蓑島くんも、久々に友達と会ったからか笑顔になっていた。



その、笑顔…。



「…やば。カッコいい…」



横にいる彩里がボソッと呟いた。




…いや、私も今そう思った。

笑った途端、彼の周りがキラキラ輝いた。

爽やかなのにやんちゃそうに笑い、そのギャップにドキッとさせられる。

イケメンのスマイル、殺傷能力抜群。

私も、彼の事はただのクラスメイトとしか思ってないけど、無意識にドキドキさせられる。

さすが、校内1のイケメン…。



斗弥子は引き続き「あはは…」と苦笑いしている。

この蓑島くんの人気っぷりに、もう笑うしかないらしい。

斗弥子と蓑島くんは、同じ中学で『まさかこいつがミスターだなんて…』と、思うと斗弥子は笑ってしまうらしい。




「おーっ。とみちゃん、おはよー。杉久保さんも瀬高さんもおはよー」



その蓑島くんが、こっちにやってきた。

斗弥子や私達に挨拶している。

「蓑島くんおはよー!」

「お疲れ、悠介。あんたねぇ…さすがミスターとだけ言っておくわ。教室まで押し掛けるファンがいるこの人気ぶり」

そう言われた蓑島くんは、あははと笑い返す。

「何か知らないけどモテちゃってモテちゃってしゃーない。いっぱい告白されるし、いっぱいデートに誘われるし」

「へぇー?で、デートしたわけ」

「したした。いっっぱいした」

そう言って、うひひ…と怪しく笑って去っていく。

その後ろ姿に、斗弥子は「ばか」と投げ掛けていた。