「…は?…はぁっ?!…悠介!何言ってんのおまえ!せ、せづマネと?!おまえが?!」



一番驚いているのは、お義兄さまである紫苑先輩だ。

私達の顔を交互に見ている。



「…っていうか、おまえにはゆらがいるだろ?!まさかせづマネを浮気の相手に…!」

「紫苑くんもしつこいなー。俺とゆらはそういう関係じゃないの。こっちが正室」

「んなバカな…!」



紫苑先輩も横川さんのこと知ってるんだ。

あぁぁ…いろいろ厄介だ。



「…てなわけで、部員の皆さん!…星月は俺のオンナなので、手を出さないで下さい!以上です!」



このっ…男っ!



手を出さないで下さい?

セクハラ大魔王のあんたが言えるセリフじゃない…!



怒りが急激にメーター振り切れるほどに込み上げる。

突然の登場、発言にムカーッ!ときた私は、左の肘を蓑島くんの腹部におもいっきり打ち付けてぶち込んだ。

ドゴッ!と鈍い音がして、蓑島くんの「うごっ!」という切ない悲鳴が聞こえる。



「みんなの前で何発表してんのよ!冗談じゃないわよっっ!」



腕が緩まったその隙に、腕の中からすり抜けて彼から離れる。

怒りのあまりずかずかと歩く私から、ギャラリーの部員たちはささっとビビって離れていった。



しかし。




「星月、照れてんの?可愛いなぁハニー?」



…こらあぁぁっ!蓑島あぁぁっ!