…ひどいな。
荒くれ者と化した蓑島もそうだけど。
何てったって、選手の…他人の子供の悪口を堂々と言い、ヤジを飛ばす親がまず酷い。
相手は子供だぞ?
モラルが低いどころの話じゃない。人の親として終わってるだろ。
『その野球チームには部長や父母会長はいなかったのかよ。こんな親いたら、うちの少年団の部長なら黙ってねえよ』
うちのサッカー少年団にも、こんな感じのモラル低い親がいなかった…ワケではない。
子供の数だけいろんな親がいるからな。異を唱える親だっている。サッカーをやってるのは俺達なのに、あたかも自分もチームの一員でいるような。
親の協力あってこその少年団だから感謝はしているけど、サッカーやってんのは俺達なんで。
だけど、門脇部長と杉マネが窓口になって、話を聞いて、話し合って。
子供たちのためにみんなで頑張りましょう!と、事が大きくならずに済んだってのはある。
『監督は輩みたいな人で、部長はいるんだかいないんだかわからないおじいちゃん。はっきり言って、親のモメ事が絶えないチームだった。お母さんも蓑島パパもママも疲れてた』
『ふーん…』
そんな過酷な環境で、野球をやっていた蓑島。
徐々に野球への情熱は薄れていく。



