どうでもいいとは思っていても。
気になってしまうのは、なぜなのか。
着替え終わって教室に戻る。
(………)
俺の机の周りには、なぜか人が集まっている。
純基が俺の椅子に座っていて、傍には村河と、仲良くしている野球部の上松ことアゲ。
あと、その他大勢男女。クラスの奴ら。
みんな、机を囲んで大爆笑している。
えぇい、どけ。そこは俺の席だ。
『…おっ。瞳真戻ってきた!』
『那巣川天心もどき。先生に反省文書かされたかー?』
『うるせー』
純基やアゲにからかわれながらも、俺の席なのでそこへ赴く。
村河や女子たちは失笑している。
なぜ。
『瞳真、おまえまたノートに変なこと書いてんな。これみんなで読んで爆笑してたんだけど』
『何で《スリジャヤワルダナプラコッテ》を三回書いてんの?なぜスリランカの首都三回書く?何の呪文?悪魔召喚?』
『うるせー』
人のノート勝手に見んな。
ただ興味がわいて書いてみただけだ。
悪魔召喚しねー。
『きっと書き取り練習よ』
そう言って、そのノートの部分をスマホの写真に収めている女子がいる。
横川ゆらだ。



