そうして、蓑島は一方的に喋り倒して、手を振りながら勝手に去っていく。
さっさといなくなってしまった。
いったい、何なんだ。
何だか。
最後までバカにされた感あるぞ。
何の話かさっぱりわからなかった。
(お姫様と騎士、か…)
…いやいや、そんなことより。
またしても、謎が浮上してしまった。
《俺が星月を傷付ける?んなことするわけないっしょー!》
《大切な大切な恩人、神様だよー?こんなに大切にしてるのにさー》
蓑島が星月に執着する理由は、これか。
どこかで、サッカー選手・杉久保星月を知っていたのだ。
かなり昔のことだと思われるが。
二人はいつ、出会った…?
星月からはそのような話を一度も聞いたことがない。
その事自体、星月が覚えていないのか、俺が聞かされてないだけか。
蓑島のことだから、心底どうでもいいと思いたい。のだが。
気になってしまうのは、なぜか。
さっき、ケンカをした際、ワケのわからないことばかり言っていた。
俺が、何もわかっちゃいないとか。
何の事情もわかってない、ピーエーロ!と言われた。
ちっ。函館でハンバーガー食いたくなってきた。



