『なっ！…何がおかしいんだよ！』
『あははは！俺が星月を傷付ける？んなことするわけないっしょー！大切な大切な恩人、神様だよー？こんなに大切にしてるのにさー』
『んだと…！』
『まあ…せいぜい頑張っておくれやすー？』
『あぁっ？！』
…どこまでもバカにしやがって！
この男…殺すぞ！
あははは！と豪快に笑い続ける蓑島。
笑いが落ち着いたところで、いつものドヤ顔で今一度こっちを見る。
『はぁ…水口くん？ひとつ教えてあげましょうか？』
『………』
上から目線、すげームカつく。
俺の敵意なんて全然構っておらず、蓑島は勝手に一人で話し始めた。
『…お姫様って純粋だから、王子様を愛しく想うあまり、辛抱強く待ち続けるのね』
『………』
何の…話？
『どんな痛い目に合っても、純粋に待ち続けるのよ。…でも、その待ってる間はお姫様は独りぼっち。だから騎士は、そんな可哀想なお姫様の傍にいて護ってやりたくなるの。でも…』
『………』
『…でも、騎士がどんなに傍にいても、護ってやっても…お姫様が待ってるのは結局王子様、なんだよね…じゃ！』
『は？…あ、おい！』
