『好きは好きだよ?星月は可愛いし。でも…』
『でもって何だよ!』
蓑島のその余裕綽々なドヤ顔がムカつく。
まるで、悪事をカミングアウトする隠れた悪キャラのよう。
『…でも、たぶん、星月に対しては一般的な恋愛感情じゃない』
『…あぁっ?!』
『傍に置いておきたかったんだ。お姫様を護る騎士の使命感?』
何だ、それは…?
『傍に置いておきたかった?…ふざけんなよ!』
『おーっと!もうケンカは無しね?反省文書いたばっかりだし!』
吹き出そうな怒りの感情に任せて、蓑島に飛び掛かろうとしてしまったが、後方に体を反らされて回避される。
俺の攻撃を避わした蓑島は、くくく…と笑っていた。
恋愛感情じゃない…?
使命感…?
傍に置いておきたかった…だと?!
そんなもので、星月と付き合っていたのか?
まるで、コレクションの人形みたいな…!
星月は…恐らく違う。
蓑島のことを好きで…!
なのに、この男…!
俺は、気が付けばこんなにも星月のことを想って焦がれているのに。
なのに、蓑島は俺と同じように想い焦がれているのではない。
…それは、星月にも酷い結果で。
俺だって…!



