『…どういうことなんだよ』
浮かび上がってしまった疑問をぶつけずにはいられない。
そのファイルの持ち主は、この蓑島。
この記事は最近のものではない。小中学時代、何年も前のものだ。
…蓑島は、星月のことを知っていた。
高校に入学する前から…!
『どういうことって?何?』
俺の問いに、蓑島はいつもの調子の良いドヤ顔を見せる。
それは、不敵ともいえる。
『…星月のこと、知ってたのか?』
『そうだよ?』
ためらいもなくあっさりと答えてやがる。
何だ?その余裕。
『…星月のことを知ってて近付いたのか?』
『恐い顔しなさんな。…高校一緒だったのは偶然だよ。ストーカーではありませんよ?…おまえ、ストーカーだと思ったろ』
『なっ…』
『まあ…俺にとっちゃ、悲しい結果ではあったけど。女子サッカー部のない地元の公立高校に進学なんて?』
『ストーカーじゃなかったら何なんだよ!星月のことを知ってて近付いて…!』
『んー。ファン?…いや、恩人?かな』
『は…』
『この時のしょーもない俺の世界を変えてくれた、神様みたいなもん』
恩人…神様?
《人に希望を与え幸せに導いている、その本人が…》
蓑島にとって、星月は恩人…?



