ちっ。
口の上手い、要領の良いヤツは、反省文を書くのも上手いのか…!
俺は…全っ然、書けない。
当たり前だ。何の反省もしてないから。
こんなところでも差が出るなんて。
蓑島と俺の格差ともいうべきか。
…だろうな。
だから、星月だって蓑島に夢中になるんだ。
自分の至らない、未熟でダメな部分が浮き彫りとなった。
『…水口!…これ何!《糸田先生のハゲを覗き込んだカタチとなってすみません》って!何もここを反省してほしいとは、先生言ってないって!』
仙道先生が、俺の書きかけの反省文を覗いて慌てている。
見るなよ。声に出すな。
糸田先生、聞いてるだろ。
『どいつもこいつもハゲをイジりやがって…』と、呟いていた。
蓑島がいなくなった途端、先生方のボヤキが始まった。
『水口さんよぉ?試合中でもないのに、なぜヘディングやシュートする?しかも人間相手?…ヘディングもシュートも試合中、ボール相手にやれや!』
『水口、さあ張り切って進めよう?…あと、教育委員会に手紙を書きたくなったら、まず俺に手紙を書いてくれ?俺なら、教育委員会よりはおまえのこと構ってやれるぞ?』
ちっ。
うるせー。めんどくせー。



