怒られた…!
先生に対してイジメの被害を訴えたはずなのに、逆に怒られてしまった。
ハゲのことを言ったから怒ってしまったのだろうか。
失敗した。
『…いいから座れ!この被害妄想ヤロー!』
何でだ。
何で俺が被害妄想ヤローなんだ。
これは被害妄想ではない。本当に被害を受けているのに。
先生のことも手紙に書いてやるからな。
…それから、床に正座をさせられたまま、小テーブルが登場した。
俺と蓑島に各一つずつ与えられる。
そこで、反省文を書けというらしい。
…反省文?
何の反省もしていないというのに、反省文なんか書けるか。
俺が反省すべき悪いことといえば、我ながららしくないことをしたということ。
あと、先生のハゲについて、つい口にしてしまったこと。
誰も一言も発せず、静まり返った体育教官室で、黙々と書く。
『…先生!終わりやしたー!』
蓑島…!
すらすらと書いて、糸田先生にポンと渡している。
『先生、これからは気を付けまーす!』と、いつものヘラヘラとした調子で、あっという間に解放された。



