ふと見ると、仙道先生と蓑島が揃って俺に背を向けて背中を震わせている。
笑いを堪えている…?
何でだ!
『あのなぁ…』
糸田先生は、長く深いため息をついた。
すると、仙道先生はすかさず耳打ちしている。
『あ…いつもの天然発言なので、真に受けない方が…』
『わかっとるわ』
…何でだ!先生まで天然って…!
『…水口、座れ』
糸田先生は着席を促してくる。
何だそれは。上から見下ろされて、ハゲを覗かれてると思ってるのか。
あいにく、先生のハゲ具合には興味がない。
しかし、俺が先生の言うとおりになかなか着席をしないからか、先生の眉間にシワが寄り始めた。
『…いいから座れ!水口!』
『先生のハゲには興味がないので気にしないで下さい』
『…あぁっ?!ケンカ売ってんのかコラァ!…おまえ、教師を脅迫するなんざいい度胸じゃねえか!そんな度胸のあるヤツがイジメで自殺するか!おまえも相応のことやり返してんじゃねえかよ!自尊心もなんもボロボロじゃねえよ!水口さんよぉ?』
『俺がいつ…』
『えぇい!黙れ!教育委員会もおまえの愚痴と痴話喧嘩に構っていられるほど暇じゃねえぞ!手紙を書きたいなら勝手に書け!』



