『…っつーか、誰が立って良いって言ったんだ?水口さんよぉ?あと、無言で詰め寄ってくんな。座れ』
さすが、サッカー部のハゲ監督…いや、鬼監督。
俺の唐突な行動に動じることもない。
しかし、言うことは聞いてやらん。俺は頭にきてるのだ。
『…戻れ!座れ!』
『先生、俺は蓑島にイジメられてます』
『は…あぁっ?!』
一瞬にして、室内が凍りつく。
俺のまさかのカミングアウトに。
『い、イジメ…?』
糸田先生ではなく、仙道先生がちょっと焦った顔をしている。
そんな先生にはっきりと言ってやった。
『そうです。これはイジメです。俺は入学当時から蓑島に幾度となくバカにされ続けてました。イジりも捉え方によってはイジメですよ、先生。何度、教育委員会に手紙を書こうと思ったか』
『は…』
『めんどくせーし、俺の自尊心はボロボロです。これは重大事件ですよ。俺がイジメを苦に自殺する前に、教育委員会に報告してもらえませんか』
『………』
糸田先生はポカーンとしている。
俺のカミングアウトに絶句しているようだ。
どうだ。とうとう言ってやったぞ。
と、思ったが。



