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『いい加減にせんか!このバカ二人!』



密室内で、ハゲ…いや、糸田先生の怒りの声がエコーして響いていた。

そして、俺と蓑島は。

お互いどつき合って泥汚れだらけのジャージを着たまま。

体育教官室の冷たくて硬い床の上に、直に正座。

二人並んで。

そして、目の前には、体育担当のハゲ…いや、糸田先生と、俺の担任の先生である仙道先生。




…体育の授業中、蓑島に話し掛けられたのをきっかけに、俺達は口論となる。

と、いうか、蓑島が勝手にキレる。あくまでも。

そして、ヒートアイランドした…いや、ヒートアップした俺達は、掴み合い、取っ組み合い、罵り合い、たまに蹴りのケンカへと発展する。

そのうち周りにも気付かれ、次々と仲裁に入られるが、それは止まらず。

なぜか純基が女子の授業から仙道先生を呼んできてしまい、とうとうオッサン二人にそれぞれ羽交い締めにされて、ようやくその場は収まる。



そして、体育教官室に連行され。

正座させられ。



そして、恐らく。

これからお説教…。



くそっ。



仙道先生が間に入って、ちょっとは冷静になったが。

くそっ。このケンカ、悪いのは俺じゃない。

と、思っている。