(なっ…)
衝撃が、胸から背中にまで響く。
どっくりと波打つように。
こいつ…!
いや、バレてるとはとうに思っちゃいたが。
あえて正面に突き付けてくるか?普通。
俺はどこまでバカにされてるんだ。
『………』
俺を見る蓑島の顔は、いつもの意地悪そうなドヤ顔だ。
優位に立っている余裕?
本当に、根性悪いなこいつ。
…ムカッ腹立ってくる。
相手にしてらんねえ。
『………』
シカトのまま顔を背ける。
しかし、この男はしつこい。
『え?そこんとこどうなの?ねえねえ』
俺から何を聞きたいんだこいつは。
泣き言?それとも俺を挑発してんのか?乗るワケねえだろ。
おまえの思うツボにはならねえ。
めんどくせー。
(………)
めんどくせーんだよ。
そう思うと、思わず舌打ちが出る。
『…横取り?…俺には関係ねえよ』
イラッとして蓑島を睨み付けてしまう。
蓑島の目は見開いていて、笑顔ではなかった。
そこへ、畳み掛けるかのような一言を言い放った。
『…星月が自分の意志でおまえのところに行ったんだ。おまえが良くておまえと付き合ってんだ。何も横取りと思っちゃいねえよ』
『………』



