…それは、翌日の体育の授業中に起こる。
グランドでサッカーの授業。
球技大会が近いからか、ミニゲームをしている。
待機で、他の奴らがサッカーしているのをグランドの傍で座って見ていた時の事だった。
『ヘイヘイ水口王子。調子はどうだい?』
来た。来たぞ。
いつもの調子でヘラヘラと笑いながら来た。
ハイテンションヤロー、蓑島だ。
『………』
『シカトしないでおくれやすー』
いつものように、無視。
…でも、いつもと違う感情が、胸の奥を蠢いている。
それは、昨日聞いた早霧谷さんの話のせいだろうか。
星月がいるにも関わらず。
他の女と関係を持っている、この男。
(………)
どう、思ったらいいんだろう。
こいつが誰を抱こうが、俺には関係のないこと。
しかし、それは星月が関わってきているとなると…そうとも言い切れない。
だからと言って、問い詰める権利もない。
そっちで勝手にやってることだ。
…とは、言っても。
心の奥底では納得しきれていない自分もいて。
素知らぬフリをしようとしても、不器用な俺はそれを隠しきれなかった。



