『…誰かいるのか?!』



声が聞こえたと思われる方向に、とっさに飛び出す。



まずい。今の…見られてたら、非常にめんどくせー!



『…誰だ!』



垣根の向こうを、飛び込むように覗き込む。

だが、そこには…。




『…っつーか、誰だとはなんだい!…これからお楽しみだっつーのによ?…邪魔すんな!』

『…はぁっ?!…蓑島ぁっ?!』




しまった…。

よりによって、こいつに…!




『…お?何だ何だ。水口もラブラブしてんのか?あ?…明日、星月に言っとくー!』

『は…はぁっ?!』

『チクられたくなかったら、さっさとたーちーさーれー!みーずーぐーち!さーんーい!』

『…ちっ!』



いつの間にか後ろを着いてきていた村河の存在にもはっきりとバレている。

星月に…言う?

ふ、ふざけんな!



もの凄く分が悪くなったので、立ち去るしかない。

とりあえず、その場をさっさと離れる。



まずい。まずい。まずい…!

よりによって、蓑島に見られるなんて!



『と、瞳真くんっ!』

『…とりあえず行くぞ!ここから離れる!』



壊滅的なアホ女を連れて、急ぎ足で学校の敷地から出た。