『…なのに、そんなの忘れて俺に「付き合ってほしいな?」ってか?!…下心丸出しになってんじゃねえよ!このアホ!』
『…え?え?…好きって言ったのに、何で怒るのー!』
『あぁっ?!…男がみんな、おまえにキスされて嬉しいと思うなよ?!変に自尊心高くて隙だらけだから、早霧谷さんにヤキ入れられるんだ!』
『えっ!えぇぇっ!』
『俺が?おまえに何をしたって言うんだ?親切心でゲーム貸してやっただけで、三日前まではろくに話もしてねえだろ!一時の感情に身を任せるなあぁっ!』
堰を切ったように、次々と怒声罵声が出てくる出てくる。
めったに大声で怒鳴らないため、息をきらしてしまった。
『と、瞳真くんも怒るんだね…』
『冷静にコメントしてんじゃねえよ!』
突然キスして告白してくるなんざ、マジ壊滅的でしかない。
普段ならとっくにこいつを置き去りにして帰るが。
こいつを壊滅的なまま放っておくと、一番迷惑被るのは、本当に星月だ。
根性叩き直してやる…!
怒鳴り終えて、辺りが鎮まった時。
(……ん?)
遠くで、カサッと物音がした。
人の声?…明らかに人の気配がする。
…まさか、今の!



