一瞬、村河はしょぼくれたが、その後すぐに『私頑張る!ありがとー!』と、元気よく手を振って帰っていった。
そして、翌日。
約束のゲームソフトを村河に貸したのだった。
…この女が使えるようになれば、星月も大変な思いをしなくて済むだろ。
それだけだった。
しかし、チャラ男先輩も言い方ひでえな。
すかさず《あんたの後輩、俺らの学年のマネ泣かしてんですけど。どう落とし前付けてくれるんですか》と、神先輩にLINEした。
『…で、何だよ』
ぶっきらぼうに返事をすると、村河は嬉しそうにこっちに駆け寄ってくる。
『昨日はゲームありがとう!』
『別に。で、やってみたのか』
『うん。それがね…私、こういうゲームやったことないからよくわかんなくて…』
『…わかんない?何がわからないんだよ』
『うーん…ゲームになってないというか、終わらないっていうか…』
『……』
何がわかんねえのか、サッパリわからない。
時間制限あるゲームが終わらないって、何のゲームしてんだ。
『…でね、瞳真くん。私にゲームのやり方、教えて欲しいんだ…』
『………』
ゲームのやり方を教える?
やり方わからないことが、わからない。
大丈夫なのか?こいつ。
めんどくせー。



