…星月はなぜか、先輩たちに人気がある。



中学時代、女子オールジャパンのフォワード。

同学年のヤツらには、そのオーラからひしひしと圧を感じているらしい。

見た目も、年齢のわりには大人っぽいので敬遠気味なのだが。

俺達より少し大人な先輩たちにとっては、どうやらそれが良いらしい。

可愛さよりエロさ重視。だそうだ。





星月をそんなエロい目で見るな。

ったく、男ってやつはどいつもこいつも、胸がデカくて尻の形が良かったら、みんなエロいエロいと喜んで目の保養にする。



ふざけんなよ。

そいつは俺の…一番大切にしている女だぞ。

腹立たしい。



ムカッときてしまったら、もう止められず。

足元にある石を手に取り、そのエロ男目掛けて投げ付けてしまった。

『…おいっ!瞳真!』

隣にいた敦斗は、俺の突然の行動に泡食っている。

『な、何してんだおまえわ!』

『………』



その石はエロ男先輩の後頭部にコンと当たる。

しかし、気付かないワケがないのか『痛っ!』と頭を抑えて『誰だ!石を投げたヤツ!』と、辺りをキョロキョロ見回している。

やべっ。

素知らぬフリをして、背中を向けた。



『…またおまえかぁっ!水口ぃっ!』