…そして、走りまくって、食いまくって。

チャラ男先輩にも付き合って、練習に没頭した結果。



俺は、徐々に学年上の試合に同伴させてもらう機会が増え、試合にも少しずつ出して貰える。

練習試合から、公式戦まで。



…そして、夏には。

インターハイ予選決勝という大舞台で、試合フル出場の機会があり。

そこで、接戦の末の勝利を収める。



先輩と手を合わせ、手にした勝利に歓喜する中。

見上げた大きいスタンドの応援席で。

仲間である部員と共にこの勝利を喜んで、俺達に声援を送る、星月の姿を…俺は見た。



これは…たまらない。

胸に掲げてきた決意が、現実になりつつある瞬間だった。



でも、これで終りじゃない。

まだ、始まったばかり。



ここから、また積み重ねていくんだ。



もっと、もっと。

この喜びを分かち合うんだ。

昔みたいに。



まだまだ続く。その第一歩だった。






だけど…。





『…水口っつぁん?昨日の決勝戦、だーい活躍だったんですってね?またこれでモッテモテのモッテモテになっちゃいますわねー!』

『…るっせえぞ蓑島あぁぁっ!』




この高校生活が始まって。

俺には、この…もうひとつの戦いも始まっていた。