アイツとやるサッカーは、楽しかった。
俺だけではなく、恐らくみんながそう思っていただろう。
そして、そんな星月が選抜で活躍する。
それはもう、俺達にとっては自慢のキャプテンで。
新聞や雑誌に記事が載れば、自分のことのように嬉しくて。
まさに雲の上の存在。
…俺は、そんなすごいヤツの相棒であることを誇りに思っていた。
そして…最高の『仲間』。
しかし、そんな栄光の時代もずっと続くワケではなく。
小学校卒業を迎え、少年団も卒団。
俺達は、それぞれの道を行く。
星月は、中学校こそは一緒だが、兄が在籍していた名門クラブチームのレディースチームへと入団する。
さすが有名選手、卒団前からお声がかかっていたという。
旭川に引っ越したヤツ一人と、星月以外の俺達は、同じ中学校の部活でサッカーをすることになった。
離ればなれになり、それぞれ別のチームでサッカーをやる。
でも、中学校は一緒だから、会える。
『瞳真!お疲れー!』
昼休み。
廊下を歩いていると、必ずすれ違う。
『お。お疲れ。昨日試合だったんだろ?』
『そうそうー』
お互い同時に立ち止まり、廊下の隅に寄って立ち話をする。
ほぼ日課だ。



