二者択一?
って、蓑島くんか瞳真かって?
どっちを選ぶかって?
「…って、べ、別に瞳真に告白されたワケでもないし。それに蓑島くんとは…無いじゃん」
そうだ。
瞳真が私を好きかもしれないという他人の話だけで、私は別に告白されたワケではない。
キスはされても。
それに、蓑島くんは、私と離れないと言ってるけど…横川さんがいるのに、それは無理だ。
二者択一?
…いや、どっちも無い…かもしれない。
すると、彩里が急に「フッフッ…」と、怪しく笑い出す。
前触れもなかったので、ちょっと恐かった。
「さ、彩里…」
「二者択一?…それはもう、この本でしょ」
彩里のブレザーのポケットから、文庫本がゆっくりと出てくる。
そ、それは…。
私も彩里に借りて読んだことがあって。
同じものを蓑島くんちで見た。
表紙には線のはっきりした可愛い女子高生のイラストと、タイトルが。
《世界の終わりには、あなたと一緒に》
ケータイ小説の文庫本。
…蓑島くんのお母さんが書いた小説だ。
みんなには内緒だけどね。



