顔を上げると、斗弥子は真剣な表情を私に向けていた。
「斗弥子…」
「悠介が、単に水口への嫌がらせとして星月を横取りしたなんてこと、私は無いと思ってる」
「え…」
「悠介は、そんな意味の無いことしない。イジりはするけど、ただ気に入らないだけのイジメや嫌がらせは絶対しない。これは自信持って言える。悠介はそんなヤツじゃない」
「イジりが過ぎることはあるよね…」
彩里の一言に、斗弥子は「あはは…」と苦笑いをするが。
「悠介には…悠介なりの何か、事情があるんだと思う。星月を自分の傍に無理矢理でも置いとかなければならなかった理由、水口に対しての態度とかも。何か理由があるんだと思う」
「理由…?」
「ゆらが絡んで協力的なあたり、絶対何かあると思う。じゃないと、ゆらは黙ってない」
蓑島くんなりの言い分か何かが、あるってこと…?
「…ねえ、星月」
「さ、彩里も?何か?」
彩里は頷いていて、話し出す。
「昨日の体育の時間…男子の授業で、何があったか、蓑島くんから聞いた?」
「え…」
それは…男のロマン?
としか聞いてない。
「私達は、星月が蓑島くんと教室を出てから伊野くんに聞いたんだけど…蓑島くんと水口くんがケンカをしてたんだって。本気の」



