しかし、同じくらいにひどいのは。
ここ数日の展開の早さ。濃さだ。
日曜日に蓑島くんちへ行って、横川さんとのただならぬ関係を知り。
月曜日には蓑島くんに別れを告げるが、別れてもらえず。
火曜日には瞳真とのお恥ずかしい一件があり。
本日、水曜日は朝から想像つかなかった事実を知らされる。
軽く、歌になりそうだ。
日曜日は♪…みたいな。昔の歌。
すでにホームルームを終えて、授業が始まっている。
先生の声のみ響く静かな教室の中で、私は頭を抱えながら、頭の中で先ほどの話の整理をした。
まず、瞳真は美優と付き合ってなかった…。
あのキスの後に、モメ事があった?
私は見てなかったけど、蓑島くんが見ていた?
けど、私には教えてくれなかった。
…いや、本当に見てなかったかもしれないじゃない?
それに…キスの前に。
《ありがとう!嬉しい…瞳真くんが付き合ってくれるなんて》
《村河が俺でいいって言うなら、いいんだけど…》
こんな話、してるんだよ?
なのに、キスの後にモメる?
どういうこと?
いや、だとしても、後程伊野くんのLINEを見て、蓑島くんは、美優が伊野くんと付き合っていることを知るのか。
でも…それすらも本当に見えてなかったのかもしれなくない?



