確かに… これだけ堂々と名前が出てりゃ、気付かないワケがない。

あの男の事だ。

相手は美優マネだってよー!

なんて、ためらいもなく大声をあげそうなモノなのに。



気付かないフリ…?




『つまり…私と付き合ってるのは敦斗くんで、瞳真くんじゃないってことが、蓑島くんの中ではわかったワケでしょ?なのに…』



少し、背筋がブルッとした。



『星月にはそのこと…訂正してくれなかった』



美優の顔がムッとしている。

蓑島くんに対しての怒りなんだろうか。



『蓑島くん…意地悪なんだよ』

『え…』

『瞳真くんが星月のことを好きだって知ってるのに、瞳真くんの邪魔ばかりしてる!体育の時間も瞳真くんに何かと絡んでイジり倒してくって…敦斗くんたちも気付いてるよ!』

『………』

イジり倒してくって…。

『そして、横川さんいるのに、星月をわざわざ自分の彼女にして…瞳真くんの前でわざとイチャイチャしてくるの!見せつけるように!』

『えぇっ!そ、それは…』

『これは私だけの主観じゃない。敦斗くんや越後谷くんたちも見ててそう思うって!』



そ、そんな…そんなこと、ある?!